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 古くから多くの日本に愛されてきた家庭用品のひとつにタワシがあります。

 アズマ工業株式会社でも「水がはねないたわし」として1963年(昭和38年)に実用新案を取得、発売するに至りました。現在でも、販売されている超ロングセラー商品です。

 「水がはねないたわし」は中央にゴムバンドが取り付けられているのが特徴で、これによって使用中の水はねが抑えられ、洗剤が飛散して衣類を汚したりすることがないようになっています。これが「水がはねないたわし」という商品名の由来です。

 また、普通のタワシは使用後しばらくすると繊維が横につぶれ、束ねている針金が表面に出てしまい使いづらくなりますが、「水がはねないたわし」はゴムバンドの働きでタワシの繊維が常にまっすぐに保たれており、繊維の先端から少しずつ消耗するためいつまでも新製品と同じ形で使いやすく、最後まで使いきることができます。

 この機能に加えて、さらに製造段階にも独自の加工を取り入れました。仕上げの際、特製電動回転ブラシで一個一個、ていねいに磨き上げたのです。タワシの原料となるパーム(ココナツなどの繊維)は、使いはじめの際に細かなゴミが出ますが、この特製電動回転ブラシで磨き上げることで繊維にツヤが出て、細かなゴミも出なくなりました。特製電動回転ブラシで磨き上げる作業はなかなか面倒でしたが、その効果は大きく、見た目にもきれいで一目で高級タワシと分かるような仕上がりとなりました。

 このように機能的で使い勝手がよく、高級感あふれる「水がはねないたわし」でしたが、発売するにあたって次なるハードルが待ちうけていました。それは、当時激戦であったタワシ市場に新規参入して「水がはねないたわし」をどのようにアピールするのか、ということです。




 「水がはねないたわし」の特徴をお客様にわかっていただくためには、商品説明が必要であることから、売り方についてもいろいろと研究しました。

 当時(昭和38年ごろ)、ほとんどのタワシは無包装で、20個単位で針金で吊り下げられて売られていました。上級品のタワシは紙包みされていましたが、我が社は品質の良さをお客様に見た目でわかっていただけるよう、透明のポリ袋に入れました。

 さらに商品特徴を説明したオレンジ色のショーカードを入れてアピ
ールしたのです。お店では他社のタワシと同じように針金に吊るされた状態で販売されましたが、店頭で目立ち、見た目にも新鮮できれいなタワシでした。中央に大きく「水がはねないたわし」と表示されたオレンジ色のショーカードは発売以来大きな変更をすることなく、40年以上たった現在でも使用されています。



 お客様にどんなに「良い商品です」と説明しても、実際に証明する
ものがないと、信用していただくことができません。

 そこで、まず丈夫さを証明するために、魚屋さんに「水がはねないたわし」を使っていただきました。魚屋さんをモニターに選んだのは、まな板の掃除するため使用頻度が高いと思ったからです。実際に使っていただいた結果、従来のタワシだと1ヶ月で消耗して使えなくなっていたのが、「水がはねないたわし」は3ヶ月間も続けて使えたと大好評でした。

 丈夫でムダなく使えることの証として、板のように平らに消耗した使用後の「水がはねないたわし」をセールスが持ち歩いて営業をしたところ、非常に説得力があったようで、大きな成果を得ることができました。

 このような賞賛に値する品質とその的確なアピールで、「水がはねないたわし」は市場での優位性を保ち現在に至ることができたのです。



当時としてはめずらしい
アンケートハガキを商品
につけていたことも

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